【中学受験】どんどんリアルから離れていく、漫画『二月の勝者』【悲しみ】

運動会、発表会の季節です。

土日に働くのがデフォルトの副業派遣社員(まだ派遣を辞めてない)の私としては、仕事が圧迫されてつらい…

しかも、コロナ後の学校行事のわびしさときたら。小5の息子の運動会、30分で終わりましたから。

近隣には、けっこう盛大にやっている小学校もあるのですが、息子の学校は「行事を盛り上げたい」という気持ちがなくなってしまったようです。遠足も何年も行ってないし。社会科見学もなくなりそう。

仕方がないことだけど、悲しいです。

『二月の勝者』最新刊を読んで、同じ悲しみを覚えた

はじめに言っておきますが、『二月の勝者』は悪くないです。ちょっとしか悪くないです。

やっぱりコロナなんだよな。

コロナ禍によって、働き方改革の恩恵を受けまくっている私ですが、子供たちがコロナによって、行動を大きく制限されるのはやっぱり悲しいです。

で、『二月の勝者』。今月、最新の16巻が出てさっそく読みました。

ついに、2月1日!!

なんですけど、娘と私が体験したアフターコロナの受験とあまりに違い過ぎて、ちょっと悲しくなってしまいました。

去年、娘と一緒に2月1日やっておけばまだよかったのに…

全くリアルじゃない、二月の勝者の受験風景

現実と違う『二月の勝者』の描写を挙げていきます。

2月1日の塾講師たちによる応援行列

そもそも二月の勝者という物語は、桜花ゼミナールに入社予定の主人公が、2月1日の応援を手伝いに行くところから始まっているわけで。

その1年後、自分の教え子たちの2月1日に応援に行って…(熱 っていう流れなんですけど。

もうその風景、ないから。

塾の講師なんて、1人も立ってないから。

講師たちが応援のシフトを決めたり、都内のホテルに前泊したり、午前の学校から午後の学校に移動したり。

応援にまつわる描写の全てが虚しくて悲しいです。

ちなみに保護者の待合室も皆無で待ち時間には苦労したから、小ゴマで待合室シーン描かれてるだけで個人的にイラっとする

1月31日の激励会

間違えた、本当のオープニングは1年前の激励会だったか。

とにかくこれも2月1日と同じ理由で、1年前はハチマキにドン引きしてたっけ… ってなるから、描かないわけにはいかないですが。

ないから。

激励会なんて。

受験直前に集まれるわけないから。

他塾はもしかしたらあったりしたのかもしれないけど。今年の1月の早稲アカは自習室も閉じてました

Zoomで激励会があったような、なかったような。そのくらいはあったかな。「映像見てください」って言われて、見て、けっこう感動してたような気がする。映像は全体向けのものだったけど。

塾弁もないよ

ついでに言わせてもらいます。7~8巻くらいまではコロナ前だったし、これも仕方ないことですが。

平日の塾に弁当なんか持って行かないから。「ママのから揚げ…」とか「つけ麺弁当いいな~」とか、ないから。弁当食べながら雑談、絶対ないから。

子どもたち、ゼリーすすってしのいでますから。

でもここも、塾によるのかな。

ノイズが大きすぎて共感できない!

『二月の勝者』でも1月校の合格発表はインターネット中心で、掲示での合格発表シーンはなかった気がします。2月もこのまま、掲示板前で「やった~」ていうようなシーンはないかもしれない。

ネットで見る合格発表そこはリアルだし、共感できる。っていうか、そこはリアルにできるんだ?

だったら言わせてもらいますけど~。

肝心要の受験当日の描写がリアルとかけ離れ過ぎていて、全く共感できないのが本当に残念です。今まで共感しながら読んできた、リアル受験生の親としてはもう裏切られた気分ですよ。

でもまあ、唯一、がんばる子どもの姿だけは変わってないはずで、そこには共感してやれよと自分でも思うわけで、そこにフォーカスして読みたいのは山々なんです。でもさ。

だったら、こんなノイズ(応援シーン)長々とぶち込んでこないでよ!

って言いたい。この連載担当してるスピリッツの編集さんに言いたい。

パンデミック、作中で起こしてみればよかったのに

コロナがもっと早く収束して、応援風景も戻って来ると踏んでいたのかもしれません。

でも実際には、現実と大きく乖離しちゃったわけで。それならいっそのこと、作中でパンデミック起こして、コロナ禍の受験にしちゃうのもアリだったんじゃないかと思います。

1月中に急に起きたことにして「激励会はZoom」「応援は中止!!」って差し込んで。応援の長尺カットすれば、ページ数も増えずに辻褄合わせられたんじゃないのかな。

情勢の変化に合わせて、当初のシナリオ曲げて名作になった漫画も沢山あるだろうに。

もう戻って来るかもわからない、過去の遺物になった「2月1日の応援」に執着して、せっかくの2月1日が台無しになるくらいなら。

作中のパンデミックは無理でも、応援のシーンはもっと軽くできたんじゃないの? 途中まで「圧倒的なリアリティをもって描く中学受験」とか煽ってたのに。名作どころか、おとぎ話にしてどうする!?

2月1日までさんざん引っ張ってきただけに、もったいなかったなと思います。『二月の勝者』は悪くなくて、コロナ禍の被害者なんだけど、やっぱりちょっとは悪いって思ってしまいます。

2023年2月1日には応援行列が復活してる可能性

と、色々言ってしまいましたが。

来年2月に応援行列復活してたら、『二月の勝者』が圧倒的リアリティに返り咲きですよ。

例え、そうならなくても。

色んなことを受容してきた私たちなのだから、『二月の勝者』の違和感くらい受容できるよねと。

悪口言ってすっきりしたから、この後は受け入れていきたいと思います。

広告
最新情報をチェックしよう!