フィクションにムキになって、色々言うシリーズ!
『二月の勝者』18巻の感想です。
前半
【中学受験】二月の勝者18巻感想①―こんなリアリティはいらない【涙】│まわらないドットコム (mawaranai.com)
今回も悪態をついていますよ。
ツッコまずにはいられない入試日程
2年前に娘の中学受験、そして今、息子の中学受験を経験している私。
桜花ゼミナールでいうΩとAクラスの偏差値帯なら、男女ともに主要校の入試日程をほぼ把握していると自負しています。
しかもウチは東京西部なので、吉祥寺にある桜花と地理的条件も近いです。
で、色々言いたい。
「名前が似てるだけで、実際の学校を指しているわけではない」と、大体はスルーできる。でも、この3人については言いたい。もちろん、個人の感想です。学校名は作中の名前です。
前田花恋の2日校
まず、女子トップの「女王」前田花恋ちゃん。
12月の渋谷大崎偏差値68で、1日桜蔭、2日吉祥寺女子、3日豊島園女子を受けていました。
3日の豊島は、桜蔭と吉女合格後だから、オイオイ…という感じです。桜花ゼミナールのモデルになっているっぽい早稲アカでも、進学先決定後の受験はしないように、厳しく言われますよ。
でも、私がツッコみたいのはそこじゃなくて。
2日が豊島だろ!ってところです。
トップ女子はもっとすごい
JG・雙葉志望なら、吉女もいいさ。でも、桜蔭受けるトップ志向女子なら、2日は豊島じゃなくてどーする? リアルの吉女と豊島では、進学実績も校風も全く違うからね?
花恋ちゃんは、千葉の前受けに落ちたのはどうかしていただけで、2月は圧勝。そういう展開なんだろうけど、桜蔭&吉女は圧勝とは言わない。吉女よごめん。でも、分かるよね?
トップの女王が、安易に地元の女子校を受ける姿に腹が立ちました。
トップ女子をもっと輝かせてほしいの。両親が医師で本人があの意識の高さで、カリスマ講師が教えてたんだよね? 花恋はもっと偏差値上げられたと思う。なのに68で止めちゃったから、2日吉女3日ムリヤリ豊島という、ちぐはぐなことになったんじゃない?
男子トップの島津くんを持ち上げるために、この程度にとどめたのかと、疑ってしまいます。本多さんの全勝でバランスとったからよし!じゃないよ。(悪態)
上杉兄の入試日程、雑なのでは
1日はパパの母校の東央を受験しようね、という母に逆らって、合格率30%の開成に出願した上杉(兄)くん。
上杉くんはうちの息子の理想形
今回「みんなの偏差値どうだっけ?」と振り返って気がついたのですが、上杉くんの5・6月の四谷(渋谷)偏差値は、今のウチの息子と大体同じでした。50台前半。
島津くんとの友情とか色々あってやる気が出て、右肩上がりで秋には偏差値60台前半まで上がる。これは私が今年初めに思い描いていた、ウチの息子の理想バージョンの姿です。
で、理想的に成績アップした上杉くんの入試日程は。
1日開成、午後帝都大付属、2日東央、3日は双子の弟とともに、海上中学。
ちょいちょいちょーい!
上杉くんはハリー・ポッターなの?
強気だな!
偏差値60前半の男子にとって、3日の海上は「名前を言ってはいけないあの人」級の忌避すべき存在だと思います!怖がり過ぎかな?
でも私は、息子の偏差値が60台になって、2月1日の海上を受けられたらいいなとは思いますが、3日の海上はちょっと…。どう考えても特攻。
3日の海上は 四谷80%偏差値で67。上杉くんは開成も大チャレンジなのに?「3日も開成に次ぐチャレンジだ!」って、そんな伏線あった?
まあ、1日午後で合格した帝都大付属の志望順位が高いんだろうけど。そこがダメだったら、3日はもう1度帝都大付属なんだろうけど。
ちなみに、現実の帝都大付属(都市大付属)は、特進のⅡ類と普通のⅠ類があるけど、学力差のある上杉兄弟が揃って受けるとややこしいからか、この分類はなくなってますね。
そう、上杉くんの3日海上は、理屈上はアリなんだけど、私が気になるのは兄弟の差です。
兄弟をムリヤリ揃えたとしか思えん
麻布安全圏にいる弟くんは、3日の海上も適正校。かたや、兄は博打。いいの? 上杉くんは開成チャレンジャーなのに、海上の対策にも時間を割いたんだろうか?
これ、兄弟揃ってフェニックスの先生に会わせるための日程だよねって、思っちゃいますよね。2日の東央にフェニックスのエース講師が応援に来るのは不自然だから、3日で会えるようにしなきゃいけなかったんだよね。
入試日程の組み方は、各家庭が真剣に考え抜いて決めるところだから、あんまり雑にしないでほしい。リアリティどころかドラマ性も損なわれると思う。
ま、作中では、3日の海上は偏差値64くらいなのかな~って、思っておけばいいんだけどさ!(悪態)
50%偏差値校の受験は博打
ちなみに、作者は50%偏差値を参考に日程組みしているような気がします。持ち偏差値に対して、みんなけっこう強気。そりゃ、渋谷大崎中学を受けるわけじゃないから、偏差値は参考にしかならないけれども。
80%偏差値があっても安全校ではない!と思って日程を組んできた私は、50%の博打連発にモヤモヤします。
やっぱり納得できない、島津くんの都立受検
18巻は、3日の試験が終わり、ついに上杉くんと島津くんの開成合格発表!
…の結果が分かる手前で終わります。
ちょっと、 不穏な雰囲気もありました。待て待て。
島袋くんが落ちるなら、タイトル変えてほしい
もしそうなら、『絶対合格の教室』っていうサブタイトル、消して? 取消線引いて?
ただ、現実では、2年前から開成の入試がちょっと変わってきているみたいで、娘のときにもトップの子たちの番狂わせがありました。
ウチは開成に縁遠くて詳しいことは分かりませんが、算数が易化したみたいですね。そこで、算数を武器にしていた層の合否に変動があったみたいです。
島袋くんは見たところ算数男子ですが、理社もきっちりやっていて、作文がある都立を受けることから国語にも自信があるんだろうな、と思いますが。(もっと皆の得意科目を知りたかったな)
もし、入試傾向の変化で島津くんを開成不合格にするなら、伏線が足りてないからね! 2月1日に問題を入手したときに、ざわついておかないと。
で、なぜ都立?
どう考えても、都立受検は試験内容が違い過ぎて、開成対策のハンデになるだけ。
そりゃ、現実には、御三家と大石山を併願する子もいますよ。でも、そういう子は年単位で準備していると思います。
6年も半ばを過ぎて都立受検決めるなんて、なめプか。大石山も開成も、バカにしてるよ。
離婚して母子家庭になって「学費が…」っていうなら、国立でいいじゃん! 筑駒を目指すほうがまだ分かる。筑附は、4科受験になったの2021年2月からだけど、連載時には選択肢に上がらなかったんだろうか?
都立受検することにした時点で、島津くんの開成落ちのフラグが立っているんじゃなかろうか…
どの辺が、「合格への戦略を圧倒的なリアリティーでえぐりだす」なんだよおおorz 開成ならZZ(NN)で一直線でいってよおお。
いや、冷静になって考えれば、島津くん私立のトップ&都立のトップ両方合格! からの、どっちに進学するか悩む。というドラマになる可能性も高いんだけれども。でも、自分で危ない橋にしてるからね!自覚してよね!
母子家庭といっても
島津くんについては、まだ言いたい。
島津くんのお母さん、専業主婦からの復帰とはいえ、薬剤師じゃなかった? ひとりっ子の中高の学費くらい払えるんじゃなかろうか。大学は国立だろうし。お姉ちゃんが学資くれたし。吉祥寺近辺に実家もあるし。ウチより余裕がありそうだ…
サブテーマに「子どもの貧困」がある手前、母子家庭の子は私学に行かせにくい? そんな理由での都立受検だとしたら、それこそが偏見だよ。片親をなんだと思っているのか。
もしや、つっこみどころをたくさん用意して、つっこまずにはいられなくする作戦なの? だとしたら、まんまとはまったよ!
登場人物にもっと考えさせてほしい
面白い漫画は、キャラが自分で動き出すといいます。今の『二月の勝者』は、登場人物が自分で動いていない、動かされちゃってるんじゃないかな。
まるみちゃんのお母さんは、正しい狂気発動の前に、できることあったと思う。
上杉くんのお母さんなら、双子それぞれに自尊心を損なわない併願プランを組めたと思う。(兄3日も合格するかもしれないけど)
島津くんなら、開成が絶対的第一志望なんだったら都立受けてる場合じゃないって気づけると思う。(合格してるかもしれないけど)
そこがリアルでさえあったら、ムリヤリな合格があってもさ、読者(私)は満足するよ。受験のリアリティ=不合格じゃないんだよ。各々ベストを尽くそうとする姿にリアリティがあり、ドラマがあるんだよ。
以上、モヤモヤの吐き出しでした。
今までコミック購入して読んできましたが、いよいよネタバレサイトでいいか… ってなってきました。(悪態)