こんにちは、岡田ちっぷです。
ささいな出来事で落ち込んでしまったとき、
「天文学を勉強して宇宙のことを考えていたら、こんな小さな悩みなんか感じないかもな…」
などと夜空を見上げた経験、あると思います。
私もあります。科学雑誌「Newton」もつい衝動買いしてしまいます。
というわけで、つらいこと、悲しいことがあったときは、宇宙のことを考えてみましょう。
「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに着地
2019年7月11日、「『はやぶさ2』が小惑星リュウグウへのタッチダウン成功」というニュースが日本中を駆け巡りました。駆け巡り…ましたよね?
「『はやぶさ2』って何?」「何が目的?」という方も多いかと思います。難しくならないよう、1問1答形式でまとめてみました!
もしも間違いがあったら、まことに申し訳ありません・・・
それでは、いってみましょう!
「はやぶさ2」とは何か
JAXA(宇宙航空研究開発機構)で開発された小惑星探査機
「はやぶさ」との関係は?
「はやぶさ2」は「はやぶさ」の後継機。重量を100kg増やす、故障時のためのバックアップ手段を備える、新しい機器を積むなど改良が加えられている。
「はやぶさ2」の目的は?
小惑星の地下の物資を採取して持ち帰ること(=サンプルリターン)。対象の小惑星は「リュウグウ」。
ちなみに「はやぶさ」の対象は「イトカワ」。
小惑星「リュウグウ」とは何?
1999年に発見されたC型小惑星。地球に接近する軌道を持つ、地球接近小惑星(NEO)のひとつ。
なぜ「はやぶさ2」の対象が小惑星「リュウグウ」なのか?
太陽に近く探査機が行きやすいC型小惑星だったから。また、 「はやぶさ」の調査対象「イトカワ」は、S型小惑星だったから。
C型小惑星、S型小惑星とは?
C型小惑星は炭素系(Carbonaceous)の物質を主成分とする小惑星。 既知の小惑星の75%はC型小惑星である。
S型小惑星は、石質(Stony)の物質を主成分とする。地球近傍に多く、地上に落ちて来ている隕石のほとんどがS型小惑星起源のもの。
「はやぶさ2」が目的を果たすと何が分かる?
1.太陽系における物質進化過程の謎解き。特に鉱物-水-有機物の相互作用を明らかにする。
2.微惑星の物理進化過程の謎解き。小惑星の形成過程を調べる。
3.サンプルリターン探査技術の確立。
4.宇宙衝突探査技術の実証(実証衝突体を天体に衝突させる)
いつ出発したのか?
打ち上げは、2014年12月3日。
いつ「リュウグウ」に到達したのか?
「リュウグウ」上空20kmへの到達は、2018年6月27日。探査ローバー投下成功は同年9月21日。地表への軟着陸は、2019年2月22日。
いつ帰還するのか?
復路航行開始は2019年11月~12月の予定。地球への帰還は2020年末を予定している。
1年半におよぶ調査が、もうすぐ終わるのですね。
2020年、東京オリンピックが終わった後、「はやぶさ2の帰還」というビッグ・イベントが待っているわけです。
これから約1年間、つらいときには、ミッション達成を目指し地球へと向かう「はやぶさ2」のことを考えると、少し勇気をもらえるのではないでしょうか。