昨年ケーブルテレビと契約して以来、チャンネルは9割方アニマックス。
つまり、小学生の姉弟が順調に古今のアニメにキャッチアップしつつあるわけです。
そして、ドラゴンボールなんかは親も喜んで一緒に観ています。
今、セルゲームの終盤です。悟飯が戦っています。
そんな悟飯に対するチチのコメントに、深く共感してしまいました。私は初期ドラゴンボール世代のアラフォー。まさか、自分がチチに同調する日がくるとは思わなかった…!!
<以下ネタバレあります><しかもうろ覚えです>
悟飯はチチが育てあげたスーパーいい子
ドラゴンボールというものをまったく知らない方に説明しますと、チチは主人公である孫悟空の妻です。息子の悟飯には立派な教育を受けて学者になってほしいと願っています。
悟空に対しては「結婚してから一銭も稼いでない」と冷淡です。ちょっと
とにかく、チチの教育の甲斐あって、悟飯は初登場の4歳の頃から「こんにちは」「孫悟飯です」としっかり挨拶できるお行儀のよい子でした。
その後すぐ、お父さんが死んじゃってピッコロに育てられることになるのですが… (かわいそう)
1年間野宿して修行に耐え、ピッコロとともにサイヤ人に挑み、そのピッコロも殺され…(かわいそう)
それでも「ピッコロさん」「お父さん」とどちらにもリスペクトを忘れない悟飯。もちろん2人にだけでなく、誰にでも礼儀正しく優しいのです。
悟飯は主人公にふさわしいヒーローだよ
現役でアニメを見ていた頃は悟飯を「敬語しゃべる子供」くらいにしか思ってなかった。
悟空に代わって悟飯が主人公になる予定だったのに、キャラが弱すぎて世代交代できなかったのかな!くらいに。
ごめん。
私を含め、アニメスタート時から如意棒をふり回す悟空を見てきた世代はみんなそんな認識だろうと思います。悟空原理主義。
しかし、悟飯。
大人になって改めてセル編を見ていると、悟飯は立派な主人公です。悪を憎む正しい心があって、暴力を嫌う優しさがあって、葛藤を抱えながらみんなのために戦う。ヒーローです。
「オラ、強いやつと戦いてえ」な悟空より、よほど人間的というか(地球人的というか)。
実際に悟飯が主人公になっていく流れがあった
実際に、作者の鳥山先生には、セル編から悟飯が主人公になっていくという構想があったそうです。
セル編では前述のように最終盤でセルと1対1で戦って勝負を決めますし、次の魔人ブウ編は、はじめのうちは青年になった悟飯が主役ポジションでした。
しかし、私のような悟空原理主義者たちが主役交代をよしとせず、周囲の圧力から、悟空主役路線に回帰していったとか。
セル編で悟飯のかっこよさに気づいた今、非常に残念に思います。
名場面! 悟飯の覚醒
セル編に話を戻します。
ナメック星編で最強だったフリーザをサクっと倒したトランクスも歯が立たない人造人間17号、18号たちをサクっと吸収して最強になったセル。(これが「強さのインフレ」ってやつですね)
かつての天下一武道会を模した「セルゲーム」を開催し、強くなった悟空とワクワクしながら戦うわけですが…
悟空が突然「ここから先は悟飯が戦え」と、身を引くわけです。
今も賛否両論あるこの交代劇ですが、色々あって悟飯は真のヒーローとして覚醒することになります。
感動しました。
そんな覚醒の次の回、チチ登場です。
チチの反応は
セルゲームは、セルがテレビ局を乗っ取って大々的に宣伝しており、テレビ中継も入っています。
悟飯が戦うことになった様子をテレビで見ていたチチ。もともと悟飯がスーパーサイヤ人になったのを見て「オラの悟飯ちゃんが不良になっただ〜」と半狂乱になってました。
当然、セルゲームに悟飯が出てくるのを見て、
「オラの悟飯ちゃんが…悟空さにうんと文句を言ってやるだ」
そんなチチを諫めるチチの父、牛魔王。
「だまれチチ!<略>お前の夫と息子はみんなのために、この世界の平和のために戦っているんだぞ」
だよね。普通だったらここで、「子供が一生懸命戦っているのに…取り乱してオラ恥ずかしい」くらいのことを言うと思うのですが。
もしくは「地球よりも自分の子供が一番大事」といった、母の愛的なことを言うパターンもありえたと思うんですが、チチはそんなことは言いません。
「おっ父は甘い!地球を救ったっていい学校には入れねえだ! 立派な学者にだってなれっこねえ! セルに勝ったって世の中の競争に負けちまうだよ」
チチの教育ママとしての信念
このシーンを見て、私はチチの、いわゆる教育ママとしての軸のぶれなさに感動しました。
まさか、自分がチチに共感する日が来るとは思わなかったな。
しかし、思えばチチは信念の人なのでした。小さい頃に悟空とした結婚の約束を、自ら行動して(しかも天下一武道会に出場して)実現したし。悟飯が親元を離れてピッコロと修行したり、ナメック星に行ってしまったり、スーパーサイヤ人になったりしても、「戦いのみちに進ませたほうがあの子のためでは…?」などとぶれたりしません。スーパーサイヤ人になるより、いい学校に入ってほしいのです。チチ、すげー。
かたや、私。
小学生の子供たち2人を中学受験のためにガンガン勉強させています(下の子はまだいうほどでもないけど)。それなのに軸もブレブレ。
教育ママをこき下ろす昭和の風潮のなかで育ったせいでしょうか。なんか、子供に勉強させることに罪悪感があるんですよね。ずーっと、「これでよかったのか?」って、思いっぱなし。
でも、この多極化の時代。何が正しいかなんてわからないんだから、自分が選んだことには信念を持って当たらないとな! これからは、教育ママとしての軸がブレそうになったらチチを思い出して踏ん張ろうと思います。
おまけ:ぶれまくってやるのもいいけどな
人として軸がぶれている
軸がぶれてる、と聞くと必ず思い出すこの曲
がんばりましょう!