また息子に「受験、やめる?」って言ってしまいました。
直接の原因は、「宿題終わってないのにテレビ見てる」っていう、いつものサボりだったんですが…
しかし、本当の原因は、私の心の中に「息子に中学受験させるのは、本当に息子のためになるのだろうか」という疑問があり、普通に楽しく遊ばせてやれないことに対する罪悪感があることなんです。
中学受験2人目の親でもコレですよ。
ちょっと、整理してみたいと思います。
ちなみに直近のテストはドボン
息子は、本当に「普通の子」
何度も書きますが、現在中1の姉は入塾するときに「とても優秀なお子さん」、小5息子は「普通のお子さん」と言われました。これが、本当に的を射た意見だったなと。思い出すたびに感服するんですよ。塾の先生は成績のことを言っていたと思うけれども。
息子は、どこに出しても恥ずかしくない、子どもらしさを凝縮した、正真正銘の「普通の子」なんです。
学校の休み時間は校庭に飛び出していって、鬼ごっこが流行っていれば鬼ごっこ、ドッヂボールが流行っていればドッヂボール。放課後は同級生が一番多く集まる公園でウェイウェイ遊び、「〇〇さんって、XXのこと好きなんだって!?」と噂にも普通のタイミングで、普通に反応。欲しいものも、ポケモンカード、ワンピースカードから、スマホ、自転車と、常に男子小学生の欲しいものの中央値をなぞってます。
土日はサッカーを普通にがんばって、普通の位置で楽しくやってる。
そりゃ普通より整理整頓が苦手で、普通よりちょっと勉強ができる面もあるかもしれない。でも本当にいい意味で普通ド真ん中、「オレって普通だよな(ため息)」なんてこともない、私たち大人が思うところの、まるっと健全な「普通の子」です。
こういう息子を見ていると、このままの生活を続けて、地元の中学に行くほうが息子は幸せじゃん。なんでダメなんだっけ??ってなります。逆に、中学受験で、息子の健全さが損なわれたらどうする!?ってなります。
昨秋にもなった
そこで、また原点に立ち返って、「中学受験の是非」を考えてみたのですが…
トップ層の中学受験=スポ根
中学受験の是非についての議論でよくあるのが、トップ層の受験とそうじゃない受験を同列で語ってしまうがために変なことになる、というパターンだと思います。
トップ層の中学受験は、スポーツや習い事で上を目指すことと同じです。
サッカーのスクールに週5日通う。ピアノを毎日4時間練習して、週3レッスンに通う、っていうのと同じです。
月島「果てしなく上には上がいる。たとえそこそこの結果を残しても」「絶対に”1番”になんかなれない。どこかで負ける。それをわかってるのに、皆どんな原動力で動いてるんだよ!?」
山口「そんなモンッ」「プライド以外に何が要るんだ!!!」
『ハイキュー‼』10巻
っていう世界ですよ。
外野が思うより健康的な、ジャンプ的な世界だと思います。
(娘は本当のトップ層じゃないけど、最難関を目指していたのでトップ層に含めて語ってます)
ハイキューの主題歌で締めた、娘の中学受験
ちなみにハイキュー‼ではこの後、さらなる月島の名シーンがあるんですが、それは置いといて。
そうじゃない層の中学受験=?
対して、息子のような「普通の子」の受験、トップ層じゃない層の中学受験の意味って?
プライド…っていうのは、無理があるよね?
それは「高校受験回避」「大学受験への布石」「受験に縛られない自由な青春」「良質な交友関係」?とにかく上へ!というトップ層じゃない子の中学受験には、何を求めて受験するのか、それぞれの意味づけ、目的が必要なんだと思います。
親が、子どもの中学受験に対して罪悪感を抱くときは、この目的と「今見えている受験のデメリット」のバランスが崩れているんだと思います。このツライ状況を乗り越えてまで「高校受験回避」が必要なのか? ムリに勉強させて最終的に入る学校が本当に「大学受験への布石」になるのだろうか? と。
ウチの息子の場合には…
理科好き、生物好きなところを伸ばす
唯一、息子の「普通とちょっと違うかも」というところは、理科好き(特に生物)というところです。
例えば、通学路の樹木にヤモリがいないか毎日チェックしたり。空想科学読本やアラマタ生物辞典を熟読していて、そっち系の話になるとちょっと賢い感じになったり。
料理好きで季節講習のときのお弁当も自分でつくっていますが、料理好き=理科好き、というところもあると思う。昔から、食材には何でも触りたがる子どもでした。
そして、少なくともウチが見てきた私立男子校は、理科に力を入れているところが多いです。説明会でかなりアピールしています。公立中学では、生物の解剖はまずやらないけど、私立では毎週のようにやったりします。生物部も公立中学にはほぼ存在しないけど、私立男子校では盛んなところが多いです。
理科好きを伸ばす可能性は、私立のほうが断然あると思います。
高校受験回避&大学受験への布石、当然ある
まあ、きっかけはこっちですよね。息子は内申点が取れるタイプじゃないので、高校受験心配だし。大学行って専門性を身につけてほしいから、長い目で大学目指せるほうで。
真剣に、息子の公立中学からの高校受験も考えてみた
変化への対応力
私立にもオールドファッションな学校はあるけど、それでも一企業なので、変革しようと思えばできる。実際、多くの私立は生き残りをかけて、時代に合わせて変革を続けています。
公立は。もう組織が巨大すぎて、そう簡単に変われない。変わりたいとも思ってない! 何十年と同じことをやっていても、疑問に思わない!!
私は地元の公立中学出身なので、そんな様をありありと思い浮かべることができます。思い出すと、夜の校舎窓ガラス壊して回りたい気持ちになります。
公立を変えなきゃ、日本の教育は変わらない。早く変わったほうがいいよ!…とエールを送りつつ、ウチは私立を選びます。
目的を明確にすれば、バランスを取り戻せる!
というわけで、戻ってきました。
やっぱり、受験しかないよ。
本音は「ママがやれって言うから」かもしれない
と、私が着地したころ、学校から息子が帰ってきました。(冒頭の事件は朝に起こったのでした。朝からTVer見てるんじゃないよ)
私の様子を見て「どうやら怒りは解けたな」と思ったでしょう。ひとしきり雑談した後、「で、受験どうするの?」と水を向けると、「ここまでやったらからには、最後までやりたい」と、もじもじしながら言いました。
親の意向をくみ取って言っているのかもしれないけれども。
将来、息子がもっと色んなことを自分で考えるようになって「中学受験、この野郎」と思うことがあっても、その陰に親の愛情があったことを理解して、許してほしいと思います。
まあ、今現在も、もうちょっと考えてくれていいんだけどね?
がんばろう!